ガーミン945フォアアスリートを徹底レビュー【22のポイントを解説】
今回は2019年6月6日に新発売された「ガーミン945フォアアスリート※以降略称でガーミン945」のご紹介です。
この時計、ランニングウォッチ史上最強と言っても良いのではないでしょうか。わずか50グラムの中に、走る時に欲しい機能がほぼすべて搭載されています。豊富な機能を説明するためにガーミン945のマニュアルは、なんと75ページもあります。その中から22のポイントを抽出しました。
私は、今までEPSONやSUUNTOのランニングウォッチは使ってきました。ガーミンは、今回初めて使います。ある意味、偏りの無い視点でお伝えできると思います。
それではいってみましょう。
※ガーミン945 マニュアルはこちら
ガーミン 945 基本情報&初期設定の流れ・使い方
ガーミン945はベルト色違いでブラックとブルーの2種類が用意されています。今回は、私の選んだブラックを使ってご説明します。5つのボタンで操作します。ボタン数が多いので最初は戸惑いましたが、スマートフォン操作と同じで、慣れてくると考えずに指が動きます。
まずは覚えておきたいボタンの役割です。
- コントロールメニュー表示
- 項目決定、タイマーの開示・停止
- 戻る
- 下に移動
- 上に移動
ボタンを組み合わせたり、長押ししたりすることで他機能が発動します。
まずは箱に同梱されているクイックスタートマニュアルを読むのが良いでしょう。基本的な操作が抜粋されてまとめてあります。すぐに付けて走り出したい気持ちをおさえ、時計のボタンを触ったり、表示を確認するのが良いでしょう。
ガーミン 945 でGPSを補足して走り始めるまでの時間は?
屋外で屋根の無いところでGPSの補足をしてみます。ランニングモードのスタートボタンを押して5秒ほどで補足しました。頭上に障害物があると、もう少し時間がかかります。
最近は技術の向上でGPSの補足時間は短く、他メーカーのGPS時計も同等だと思います。
ガーミン945 の光学式心拍計の性能は?
光学心拍計を可動させて走った時の数値は、感覚通りでした。苦しい時は心拍数が急上昇、ペースを落とすと安定し、休憩すると急降下します。
時計の裏側にあるLEDが手首の血管内の血流に光をあて、その反射の変化で心拍数を測ります。光学式心拍計は3年程前に登場し、当初は計測値が不安定でしたが、技術が進化し納得の数値が得られます。背面の読み取り用のLEDライトはメーカーによって1つ、3つと違いがあります。
ガーミン945は4つのLEDライトで計測します。
私は今まで胸につけるベルト式のハートレートセンサーを使ってきましたが、走る時の腕振りに邪魔だったり、ズレ落ちてきたり、できれば付けたくないのが本音でした。なので、手首で心拍を計測できる光学式心拍計は、とても嬉しい機能です。
VO2Max(最大酸素摂取量)の測定も可能!VO2Max機能で予想タイムを推定!
光学式心拍計で収集したデータからVO2MAXの測定をしてくれます。VO2MAXとは、ヒトが体内に取り込むことができる酸素の一分間の最大値です。体重1グラムあたり何ミリリットルの酸素を摂取できるかを表します。
VO2MAXの数値が走るモチベーションになり、練習に励むことで数値はグングンと上昇。逆に走らないとドンドンと落ちていきます。とても正直な数値なのです。
さらに、VO2MAXはマラソンレースを走ったと仮定したタイムを表示してくれます。私の10キロ走った時の予想タイムは49分だそうです。この想定タイムもランニングの収集データが増えてくると正確なタイムに近づいてきます。
ガーミン 945 ランニング中の使い勝手をレビュー
早速、装着して感じた事をお伝えいたします。
①わずか50グラムの軽さ
玉子1個の重さです。数多く販売されているランニングウォッチの中でも軽量の部類です。走る時の腕振り時に気になることは無いと思います。
②タイムが読みやすい
数値は太字のゴシック文字で表示されます。太マジックで書いてあるような書体なので、走りながらパッと時計を見た時でも読み取れます。
③すぐに確認できるモニタリング結果
走った実績データを基に、すぐに自分のパフォーマンスレベルを表示します。前述したVO2MAX以外に、走力レベルや体力回復時間をすぐに確認できます。
④ボタンが多いので悩む
走っていて苦しくなり集中力が落ちた時、5つのボタンの役割に一瞬悩むことがあります。慣れれば解消されます。
心拍ゾーントレーニング
最近のスポーツ選手は、運動時の心拍数で自身の状態を把握するのが当たり前になっています。良い悪いの状態、レベルアップの確認、疲労の蓄積具合、怪我防止の確認などに使います。一般的に心拍数は5つのゾーンに分けて見ることが多いです。
ガーミン945は光学式心拍計が常に数値を計測します。練習の目的に応じて心拍数の変化を確認すると効果的です。
例えば、レースを想定した練習を行う時は、ゾーン3の心拍数をキープしながら走ります。
- ゾーン1・・・最大心拍数50~60% リラックスした状態で、会話をしながら走れるユックリペース。
- ゾーン2・・・60~70% 快適なスピードで会話もできるペース。
- ゾーン3・・・70~80% 会話は続けるのが難しくなるマラソンレースのペース。
- ゾーン4・・・80~90% きついと感じだすスピード。一定時間をなんとか走れるペース。
- ゾーン5・・・90~100% 全速力のスピード。呼吸はキツく短時間なら我慢できるペース。
ガーミン 945 で記録したランニングデータはコネクトアプリで確認
コネクトガーミンは無償のオンラインサービスです。パソコン版とスマホアプリ版があります。パソコン版では音楽データの送信やデータの保存、地図データ送信などが可能。ライフログデータも一緒に表示されるので、その時の体調を総合的に知ることができます。
また、走った後は連携されたスマホのコネクトアプリにデータ転送され、距離、スピード、心拍数、カロリー数などすぐに見たいデータを確認することも可能です。
ガーミン 945 ライフログ機能で歩数や睡眠状態などを計測できる
ガーミンは、活動計といわれるライフログを計測する機器を製品ラインナップに揃えています。その機能をガーミン945にも搭載しています。歩数、階段に置き換えた上昇段数、週間運動量、消費カロリー、睡眠時間などです。
私は睡眠に関するスリープトラッキングを毎日確認しています。お酒を飲んだ日、強度の高い練習をした日の睡眠は浅く、休めていないことが分かります。その場合は早く寝て体力回復に努めます。
詳細なランニングデータ分析は「ランニングダイナミクスポッド」で
ランニングダイナミクスポッドは別売です。
小さな緑色の機器をパンツ背面にとりつけます。機器の中にはセンサーが収納され、一歩あたりの上下動、歩幅、接地時間などを計測します。
私はいつも歩幅を確認しています。練習を重ねてスピード速くなってくると歩幅が長くなってきます。
また、練習の時に脚が軽い時、重い時は調子の良さの判断ができます。ランニングダイナミクスポッドをつけるとそのような分析も可能になります。
ガーミン945はガーミン935の後継機種。違いは?
ガーミン945は前モデルの935をバージョンアップさせた仕様です。デザインやサイズ、重さ、表示される画素数など基本スペックは変わりません。
ただし、注目されている最新機能はすべて盛り込まれました。そういう意味では、単なるバージョンという進歩ではなく、進化した史上最強の時計といえます。
ガーミン 945 で音楽を聞こう!
最大1000曲を時計の中に保存可能です。音楽の聞き方は3つ。
- スポティファイなどの音楽プロバイダからダウンロードして聞く
- パソコンソフト「ガーミンエクスプレス」からダウンロードして聞く
- スマートフォンの音楽再生をコントロールする
ちなみに、音楽を聞くためにはBluetoothイヤホンが必要です。
今までは、スマートフォンか音楽プレイヤーをバッグなどに入れて走らなければなりませんでした。手ぶらで走れるようになったのは、素晴らしい機能のおかげです。
手ぶらで買い物、ガーミンペイ
2018年5月よりガーミン社が発売した一部モデルにガーミンペイと名付けられた決済機能がつきました。
ただし、利用するためには三菱UFJ-VISAデビットカードを用意し、支払い連携の事前登録をしておく必要があります。使える店舗は、コンビニではローソン、ファストフードではマクドナルドなど順次拡大中です。
手ぶらでランニングに出かけて、途中に立ち寄ったコンビニで時計をお会計時にピッとすれば、冷たい飲み物を買うことができるのです。
ガーミン 945 の充電方法は? 電池の持ちは良いの?
専用の充電用ケーブルを裏面に接続して充電します。電源元は2つの方法があります。
- 家庭用コンセントにACアダプターを差し込み、ケーブル接続する
- パソコンのUSBポートにケーブルを接続する
※ACアダプターはガーミン純正をオススメしています。
約2時間充電すると満タンになります。
電池の減り具合、連続使用時間は?実際の使用感をレビュー
電池の持ちは良いですね。ランニングを毎日60分、光学式心拍計を24時間使用して7日間持ちました。
ただし、リチウムイオン電池なのでスマートフォンと同じく1年2年使っていると徐々に消耗してくるでしょう。それは他メーカーのランニングウォッチも同じです。
使用できる時間は設定によって調整できます。音楽再生モードをオフにしたり、GPSを使わなかったり、GPSの精度を落とすことで時間を伸ばすことができます。使用シーンによって変更しましょう。
ガーミン945の防水性能は? 濡れても大丈夫?
50m完全防水です。ただし、マニュアルには2点の注意書きがありました。
- 水中や時計が濡れた状態でボタン操作はNG
- 海水、化粧品、日焼け止めクリームに触れた場合、使用後は必ず水で洗い流す
また、洗った後は水を拭き取るようにした方が良いです。私もやってしまいますが、濡れたまま放置すると時計がカビ臭くなります。
ガーミン 945 のウォッチフェイス(画面)をカスタマイズしよう
ウォッチフェイスを、デジタル系、アナログ系、デジタル+アナログのミックス系に変更可能です。
たまにデザインを変更すると、新しく時計を買い替えた感覚になり、嬉しくなります。ただし、秒針表示など動きが常にあるものは、電池消耗の原因になるので気をつけた方が良いです。
Connect IQ(コネクトIQ)アプリでガーミン 945を自分好みにカスタマイズ
ガーミンの楽しさとして、自分好みのウォッチフェイスを選んでガーミン945に使うことができます。時計をパソコン、スマートフォンと接続し、コネクトIQというアプリを通じてダウンロードします。
ウォッチフェイスをプライベート用、レース用、練習用などシーンに応じてを変えてみるの良いですね。
こういう演出が楽しめるのはガーミンならではです。
ガーミン 945の通知機能
連携したスマートフォンにメールや電話が入るとガーミン945の画面に通知されます。画面表示とともにバイブレーション振動でも知らせてくれます。
わざわざスマートフォンを見ることなく、ガーミン945の表示を見ればおおよそ内容は確認できます。電車の移動中やデスクワークをしている時にパッと見できるのは便利な機能です。
Q&Aコーナー
画面の保護は必要か? ガーミン 945 の保護フィルム
ランニング中に転んだり、不意に壁や石にぶつけてしまうこともあるので保護フィルムは使った方が良いです。
ガーミン945対応のフィルムはネットで探すと1000円前後で販売されています。
ガーミン 945 はベルト交換ができるのか?
使っていてベルトがヘタってきたり、気分を変えたい時はバンドを交換しましょう。交換作業は簡単で5分もあれば完了します。
ベルトはガーミン公式サイト内のアクセサリページにて販売をしています。交換作業にはトルクスドライバーという特殊な工具が必要。サードパーティ製のバンドをネット通販で購入する際には工具が同封されているかを確認した方が良いです。
※GARMIN公式サイト アクセサリ一覧ページはこちら
ガーミン 945 が壊れたら? 保証はあるの?
壊れたかな?と思った時はマニュアルにある、トラブルシューティングを確認しましょう。
- 歩数などがカウントされない
- GPSが受信できない
- 日本語表示されない
- 設定リセットの方法
また、正規代理店で購入した時に同梱されている保証書があれば、購入後一年以内は無償対応をしてくれます。
一年以上使って壊れた場合は、有償で対応してくれます。
※GARMIN公式サイト 修理料金のご案内ページはこちら
ガーミン945の液晶画面は見やすい?
黒色の背景に白文字は表示するのでとても見やすいです。数字はもちろん、小さい文字も視認できます。夜間使用時は太ゴシックの書体がとても見やすいです。
また、細かい文字や地図、グラフも内容を確認できます。ディスプレイサイズ1.2インチでも大丈夫。ただし、走りながらは無理ですね。
ガーミン945のレビューまとめ
今回のガーミン945のレビューは私が1週間使ってみて書きました。6年間いろいろなランニングウォッチを使ってきました。この時計は、あらゆる点で完成度が高いです。本当にランナーが必要とする機能、あったらいいなという機能が搭載されています。
- 重量は玉子一個分、わずか50グラムの軽さ!
- VO2MAXなどトレーニング分析結果を即表示
- ライフログ機能で日々の体調管理をしてくれる
- 音楽再生機能、決済機能、地図データなどを内蔵
- 光学心拍計+GPSで最大32時間の長時間バッテリー
きっと、ガーミン945は今後発売される他メーカーのベンチマークモデルになるでしょう。それぐらい良くできているランニングウォッチです。
今、何を買おうか悩んでいる、これからランニングをはじようと考えている方にオススメです。ガーミン945を装着すれば、練習やレースの良き相棒、アドバイザーになること間違いなしです!